高嶺のぼっちはかまわれたい

というか、壁ドンからの顎クイッて――。


【・壁ドンからの顎クイされたい】


わたしの頭の中に、青春ノートに書き込んだ文字が思い浮かんだ。


「…それ!わたしが青春ノートに書いてたやつっ!」


はっとして、わたしはジミー先輩を押しのけた。


「“青春ノート”…?ああ、あの青色のメモ帳の表紙にそんなこと書いてあったっけ」


青色のメモ帳…。

まさしく、わたしが探していた青春ノートだ。


「拾ったんですか!?…しかも、中身見たんですか!?」

「だって名前書いてなかったし、中を見たらなにかしらわかるかな〜と思って」


…最悪だ。

わたしの頭の中の妄想で描いた、理想の青春シチュエーションをだれかに読まれただなんて。


わたしは絶望のあまり、床に突っ伏した。


「そ、そんなに悲しむこと…!?」

「…悲しいんじゃないです。消えたいくらい…恥ずかしいんです」

「まあまあ、そう落ち込まないで」