高嶺のぼっちはかまわれたい

「やっぱこいつ、頭おかしいんだよ…!」

「まあまあ、そう言わず〜。ほら、金」

「…だから、いらねぇって言ってんだろ!!」


すっかり萎縮してしまった不良は、差し出された札束を振り払う。

その瞬間、札束男が不良の胸ぐらをつかんで引き寄せた。


「いらねぇなら、カツアゲとかダッセーことしてんじゃねぇよ。さっさと失せろ」


それまでの気の抜けた態度から一変、凄みのある札束男の睨みに不良たちは震え上がった。


「やっ…、やべぇやつがいるぞぉぉ!!」


そうして、一目散に逃げていってしまった。


「ったく、金は大切にしろってな。ところで、大丈夫だった?」


と札束男が振り返ったときには、わたしは不良たちのあとに続いて路地から逃げ出していた。


「パリピこわい…、パリピこわい…、パリピこわい…」


そう何度もつぶやきながら。


「そういえば、さっきの制服…」


路地から顔をひょっこりと出して、札束男がわたしの後ろ姿を見ていたなんて、このときのわたしが知るはずもない。