高嶺のぼっちはかまわれたい

不良たちがニヤリと微笑みながらわたしに視線を向ける。


や、やっぱりそうなりますよね…。


「あの…、わたしはただの通行人で――」

「いや、待てよ。みすみす帰すわけねーだろ」


不良たちは、引き返そうとしたわたしの行く先へ回り込む。


「ここを通してほしかったら、オレたちといっしょに遊ぶか、あいつから巻き上げられなかった分の金をよこしな」

「そ、そんなこと言われてもっ…」


久々に家族以外のだれかと会話をしたと思ったら、こんな不良。

なんかマズイ展開にもなってしまって、無駄な正義感で出しゃばらなきゃよかったかも…。


壁に追い詰められ、逃げ場がない。


どうしたものかと困っていると――。

不良の肩を軽くトントンと叩く手が後ろから伸びてきた。


「あ?」


それに反応した不良が振り返る。


「そんなに金がほしいなら…。ほら、やるよ」


不良の背後から低い声が聞こえたかと思ったら、突如その不良が強烈なビンタを食らってふっ飛ばされた。