高嶺のぼっちはかまわれたい

ただ、わたしには夜遊びするような友達もいないし、どこかに寄り道したとしても用事が済んだらすることもなくて、いつも暗くなる前に帰宅している。


それに、そろそろ帰宅ラッシュの時間帯と被りそうだし。

わたしは足早に駅へと急いだ。


といっても、カフェから駅までは目と鼻の先にあり、カフェから出てすぐにわたしはカバンから定期券を取り出した。


そのとき――。

なぜかチラリと横目に入ってしまった。


建物と建物の間の路地のようなところで、こそこそとなにかをする人たちの姿を。


通り過ぎたけど、気になって思わず引き返してしまった。

出した定期券はカバンにしまい直して。


「おいっ。人にぶつかっておいて、なんもなしかよ?」

「…ごめんなさい、…ごめんなさい」


覗き込むと、少しガラの悪そうな2人の不良が、見るからにひ弱そうな制服姿の男の子を取り囲んでいた。

男の子のほうは、たぶん中学生。