連れて行かれたのは、ホーム内にたむろする男子集団の前だった。
ゆるダボな格好をした4人組が、喫煙所の前でタバコをふかし、笑い声を響かせている。
「おはよ、寺道《てらみち》くん。」
盾狼《たてがみ》君が、髪色がグリーンの男の子を見ながら言った。
あまり関わりたくない集団。果敢に飛び込んでいくもんだから、盾狼君に握られた手をぎゅっと握り返す。
「おう鹿助《ろくすけ》。何しにきたの?」
「ん、ちょっとこの間のサークルの件、ちゃんと謝ろうかと思って。」
「はあ?もうお前はうちのサークルに入れねえよ?」
「うん、知ってる。」
威圧的な空気にも物怖じしない、盾狼君の空気感。
え?サークル入れないの?ププッ、私と一緒。
朝からやめときな?その綺麗なお顔が傷つくし、私を巻き込まないでくれる?
「それよりも、寺道くんの彼女に手を出したこと、謝っとこうと思って。」
「……てか、え?なになにその子!薬学の百奈ちゃんじゃね??」
後ろにいた他メンバーが、珍しそうに前のめりになって聞いてきた。
私の頭の中で、出てきたワードを並べてパズルをカチカチはめていく。
“相殺”、“グリーンヘアの寺道くん”、“寺道くんの彼女”、“寺道の女に手を出した鹿助”。
そして今、これ見よがしに繋がれた手。



