「今度からは百奈に首輪つけとくから。ほんとごめんね?マチミちゃん。」
頬を染める真智美ちゃんたちが、駅に着くなり慌てて出ていってしまった。
朝の憂鬱な電車時間が、機転を利かせた盾狼君により緩和された日。
真智美ちゃんたちが見えなくなれば、ようやく私を開放してくれた。
「……静電気、発電してる?」
ピリッと走った静電気に、盾狼君が怪訝そうに眉をひそめる。
自分の手の平を数秒見つめてから。私の手を取り私の手の平も見つめる彼。とある科学の超電磁砲《レールガン》を疑っているらしい。
そんな背の高い彼を、安堵の笑顔で見上げてみる。
「発電してる。私に気安く触らないでって。」
「へえ。あ、礼はいらないから。」
「そう?今からお礼を伝えるつもりだったのに。」
「ううん、マジ必要ないって。」
ありがとう。は、いらないと言うから、「バイバイ」と雑に手を振り、ホームの階段を降りようとした。
「その代わり、相殺して。」
「へっ?」
「いいから、ちょっとこっち来て。」
盾狼君に手を掴まれて、再びホームへと引き戻された私。
低いのに、透き通るような色っぽい声。電車の走行音よりも私の耳に届く。



