カリスマCAMPARIソーダ




特別かっこいいってわけではなかったけれど、騒がしい男の子たちとは違って落ち着いていた彼。地味で根暗だった私にも、唯一話しかけてくれていた男の子。


だから、バレンタインデーに勇気を出して告白――しようとした――――。



『あ、あのっ!す、す』
『矛兎さんごめん!僕、風音《かざと》さんが好きなんだ!』
『……え?だれ??かざと……?』
『風音《かざと》、星來《せいら》さん。』
『…………』 

 
え?不発??


せめて好きって言わせてよ。


なんだか私に好きって言われるのを拒否っているような、食い気味のお断り。しかも彼が好きだという“風音”さんというのは女優さんだ。


境界線の向こう側の人。芸能人。俳優やアイドルとの噂もあってか、巷では魔性ともいわれている女優さんだ。


見た目は一寸の曇りもないほどの美女。世界美女ランキングにも乗るほどの人物。


だから私は、風音星來に勝つための努力をしてきたのだ。


毎日の体重管理にヘアケアにスキンケア、歯の矯正、爪先までを意識した手の動き、笑顔の作り方、うざがられないほどの気の使い方。