水を飲む干す百奈の喉元。細い首。白い肌が綺麗に隆起し、鎖骨あたりまで仄かに染まっている。
鉄板の湯気とか、炊きたてのご飯とか。何一つ色気を感じる要素はない場所なのに、目が奪われかけて、それに気付けば目を伏せざるを得ない。
嫌いなはずの女。
俺がどれだけ頑張っても獲れない論文での賞を、コイツは何食わぬ顔で獲ったのだ。負け惜しみを憎しみに変えるなと言われてももう遅い。
あざとい、男をモノとしか思っていない女を好きになれという方が間違っている。
「そうやって自分の家じゃなくてホテルに誘い込むあたり、鹿助君って自分のテリトリー侵されたくない人だよね。」
「…………」
「悪いけどセフレは嫌いなの。私、自分に心が向いてない人とえっちはしないよ?」
はは、何様だよオマエ。
再びスマホの『カラマヨチャンネル』に視線を落とせば、コメント欄が同じアカウントのコメントで埋め尽くされている。
“カラマヨちゃん!今日も電車で会えて嬉しかったよ!”
“動画なんてアップして稼がなくても、僕がカラマヨちゃんの面倒みてあげるのに!”
あーーーイライラが冷めやらぬ。



