4人がけのボックス席に並べられた全6品の鉄板。ここだけやたら煙が凄くて、きっとはたから見たらちょっとしたボヤ騒ぎだ。
しかも米の量が鬼。何杯でもおかわりできるってのに、およそ俺の3倍の米が茶碗に盛られている。
「まさか鹿助君みたいなセレブが、セルフサービスのお店利用してるとは思わなかったなあ〜」
百奈の目の前にあるチキンステーキがナイフとフォークで綺麗に6等分されていく。てっきりそのままフォークで食べると思いきや、なぜか箸を取り食べ始めた。
箸の持ち方が綺麗で、油ぎるチキンを一口で口の中に入れた。唇に油がついていないのが不思議なくらい食べ方が綺麗。
こういう生活の所作に目がいくのは、うちの母親がマナーにうるさかったからだ。生活でも社交の場でも、盾狼家の名に恥じぬよう常日頃から言われていたのを思い出す。
俺に興味を持たなくなった今となってはどうでもいいことだろうけど。
「なんで俺がセレブだって知ってんの?」
「ウキペディアで調べたの。」
「ふうん?俺に興味持ってくれたんだ?」
「自己防衛のためにね。私、けっこう軽い女にみられがちだから。身体目当てで寄ってくる男の子だとやだもん。」
そういうお前は俺の金が目当てじゃないの?
俺を油断させてるつもりかな?百奈ちゃん。



