カリスマCAMPARIソーダ




繁華街の駅に着けば、帰宅ラッシュ時に差し掛かったせいか人で溢れかえっている。


はぐれないよう手を繋ごうとすれば、百奈から腕に絡みついてきた。ウザいのを耐えて胸の中で深呼吸。甘い笑顔で対応する。


「なに?甘えたい時間?」

「違う。しつこい男見つけたから恋人ぶってんの。」

「はは。どれ?」

「……あそこの。ベージュスーツのリーマン。」

「え?百奈ってリーマンにまで手え出してるの?」

「出されそうになってんの!」


いわれた男を見れば、きっちりと固めたヘアに高級そうなビジネスバッグを持っている。……悪くない顔じゃん。

 
一瞬そのリーマンと目が合って、からかい半分で笑いかけてやった。向こうはたじろぐ素振りも見せず、無表情のまま顔を反らした。

         
「なに?痴漢?ストーカー?上玉じゃん。」

「……さあ。」

「ちゃんと教えてよ。」
 
「……いつも電車が一緒のリーマン。電車で話しかけられたから、通学中に話す内、一緒に住もうって言われるようになって。」

「住めばいんじゃない?あのスーツ多分相当高いよ?」

「いやだ。ちゃんと恋人のふりして。」

「あいよ百奈様。」


何が嫌なのかは知らないけれど、仕方なく百奈の肩を抱いてやる。近寄りすぎて歩きにくいのを我慢。