カリスマCAMPARIソーダ




「ねえ、痴漢だって叫ぶよ?」

「でも宇宙人と俺は付き合ってるよ?」

「宇宙人でもTPOは弁えてるんだよ。」

「なら空気の読めないキスして。」


ぽりぽりと首元を掻いて。鹿助の壁から逃れようと、隙間の逃げ道を見据えた。


でもすぐに頬を片手でむぎゅっとつかまれて。


百奈は鹿助君にかぶりつくようなキスをされてしまったのだ―――。


なぜ。なぜ人の多い公然の場。


周りの人々から喉がひきつるような声が鳴って。私もパプーって鳴かなくなったおもちゃみたいに、呼吸の退路が断たれた。


『ぎぃゃァぁあああああ!!』
『ウッソ!あれ、盾狼君と矛兎さん?!』
『朝からお盛んっ』


爪先が震えて動けず。股間を蹴り飛ばせない。


吸引力のある唇が離されて。むぎゅっとつかまれていた頬が…離されない。


鹿助君の唇、やらかかった。まだだいぶ、ドキドキしてる。


「付き合ってるなら、キスの頻度を上げてきわっしょい。」


寒い言葉で、私の頭はまっしろ。というか、頬を痛いくらいにつかまれてるから声が出せないの。


彼の腕をつかんで、無理に頬から離して、盾狼鹿助を睨みつけた。まじ糞ムカつくピ。


『あの二人…付き合ってるの……?』


周りからそんな声が聞こえてきて。


自分の可愛くない睨み顔が皆に見られるなんてたまったもんじゃない。


私は鹿助君の腕に絡みついて、広いエレベーターホールのスポットライトを浴びる。



お互いに、コテンと首を傾けて。



「えへへ、好きピにキスされちゃった~」

「俺たち、付き合ってま〜す」



糞うざい笑顔を二人で振りまいた。その間にも私は鹿助君の足を踏みつけておいた。