カリスマCAMPARIソーダ




男の娘である親友の東《あずま》乙菱《おとびし》は、私と同じ159センチ。いつもナチュラルに巻かれたベージュ色のロングヘアが、透明感のある乙菱によく映えている。


乙菱が男だってことは、多分、私しか知らないと思う。


「ねえ、今日の私ってそんなに肌くすんで見える?」
   
「肌も心もくすみ系。」

「やだもう切腹する。」

「下地、ミックスして使えば?」

「Ohなるほど!乙菱、好きー。」

「乙菱も乙菱を自画自賛!」 

 
病態学の授業で、リングノートに何も書いていない乙菱。どうしたの?いつものことだけどさ。


じっと、斜め49度の方角を見つめている。乙菱の細い上向きまつ毛が、綺麗に上下している。気になって調査してみることにした。


「……もしかして、スーツの男を見てる?」

「…先生?」 

「ちがうちがう。ほら、『今日の俺かっこいんで見てください』っていってるオールバックの、」

「……その、左隣の黒髪君を見てる。」  


乙菱は、どうやら盾狼君の隣に座っている、黒髪の男の子に目が奪われているらしい。