その後、検査によると、璃子は、いや、璃子’’だった’’ものは予想通り、記憶喪失だった。そして、璃子に何かを言うと、俺のほうへやってきて、一言、「この結果により記憶喪失の重度がわかります。」といった。結果は後日出るらしい。このとき俺は誰よりも願い思っていた。「俺のことだけは忘れるな」というわがままな願いを。