あの夏記憶を失った君と透明な恋をする

早く、早く目を覚ませ。また、あの輝くような笑顔をみせて、綺麗な声で俺の名前をよんでほしい。そう願っていた。
璃子が目を覚ました時に、両親を失ったことを悲しむことは、火を見るよりも明らかにわかる。でも、そのことよりも自分の気持ちを優先する俺は璃子に相応しくないのかもしれない。心の中で天使と悪魔が戦っている。そんなことを考えているからか、きつく、きつく目をつぶっていた。