この日は萩乃の方が先に学校が終わったので、夕方には帰宅した。
玄関を開けると、見慣れない男性の執事が出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ、萩乃お嬢様。
私、本日よりこちらのお屋敷にお世話になります、今坂(いまさか)と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
今坂は体を折り曲げるようにして丁寧に一礼する。年齢は30歳くらいで、爽やかで感じの良い青年といった印象を受ける。
「今坂さんですね。どうぞよろしくお願いします」
萩乃は笑顔で会釈をする。
以前勤めていた女性の執事が先月寿退社をしたので、新しく雇われた執事のようだ。
その後、18時頃に蝶子を迎えに行くと言って今坂は車で屋敷を出て行った。
#####
18時。
(あれ?蝶ちゃん達遅いな。いつもなら30分もすれば帰って来るのに・・・)
リビングのソファに座りながら萩乃が首を傾げていると、小一郎が扉を開けて入ってきた。
「お父様。お帰りなさい」
「おお、萩乃。ただいま。あれ?蝶子はまだ帰ってないのかい?」
「そうなんですの。1時間ほど前に今坂さんが車で迎えに行かれたのですが・・・。道に迷っているのかしら」
萩乃の言葉に、小一郎は頷きながら向かいのソファに腰を下ろす。
「あぁ、新しく来てくれた今坂さんにあったんだね。彼女は優秀な執事だそうで父さんも安心だよ」
「そうなんですの。それは有難いですわね・・・」
そこで萩乃は言葉をピタリと止めた。
「・・・お父様。今なんて?」
「え?父さんも安心だよ?」
「いえ、その前ですわ。彼女?今坂さんは女性なんですの?」
「あぁ、そうだよ。父さんの知り合いからの紹介なんだが、お子さんが独立されたのを機に、昔していた執事の仕事に復帰することにしたそうだよ。それがどうかしたのかい?」
萩乃の頭には疑問が次々と浮かんでいた。
(どういう事?性別も年齢も合わないわ。
じゃあ蝶ちゃんを迎えに行ったあの男は一体誰なの?)
じわじわと体温が下がってくるのを感じる。
嫌な予感しかしなかった。
その時、リビングの扉が突然開いてメイドが転がるように飛び込んできた。
「だ、旦那様!萩乃お嬢様!大変でございます!」
メイドは肩で息をしながら真っ青な顔をしている。
そのあまりの様子に、萩乃と小一郎は思わず立ち上がった。
「ど、どうしたんだね?そんなに慌てて・・・」
メイドは胸を手で押さえながらどうにか息を整え、叫ぶように言った。
「蝶子お嬢様が誘拐されました!」
玄関を開けると、見慣れない男性の執事が出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ、萩乃お嬢様。
私、本日よりこちらのお屋敷にお世話になります、今坂(いまさか)と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
今坂は体を折り曲げるようにして丁寧に一礼する。年齢は30歳くらいで、爽やかで感じの良い青年といった印象を受ける。
「今坂さんですね。どうぞよろしくお願いします」
萩乃は笑顔で会釈をする。
以前勤めていた女性の執事が先月寿退社をしたので、新しく雇われた執事のようだ。
その後、18時頃に蝶子を迎えに行くと言って今坂は車で屋敷を出て行った。
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18時。
(あれ?蝶ちゃん達遅いな。いつもなら30分もすれば帰って来るのに・・・)
リビングのソファに座りながら萩乃が首を傾げていると、小一郎が扉を開けて入ってきた。
「お父様。お帰りなさい」
「おお、萩乃。ただいま。あれ?蝶子はまだ帰ってないのかい?」
「そうなんですの。1時間ほど前に今坂さんが車で迎えに行かれたのですが・・・。道に迷っているのかしら」
萩乃の言葉に、小一郎は頷きながら向かいのソファに腰を下ろす。
「あぁ、新しく来てくれた今坂さんにあったんだね。彼女は優秀な執事だそうで父さんも安心だよ」
「そうなんですの。それは有難いですわね・・・」
そこで萩乃は言葉をピタリと止めた。
「・・・お父様。今なんて?」
「え?父さんも安心だよ?」
「いえ、その前ですわ。彼女?今坂さんは女性なんですの?」
「あぁ、そうだよ。父さんの知り合いからの紹介なんだが、お子さんが独立されたのを機に、昔していた執事の仕事に復帰することにしたそうだよ。それがどうかしたのかい?」
萩乃の頭には疑問が次々と浮かんでいた。
(どういう事?性別も年齢も合わないわ。
じゃあ蝶ちゃんを迎えに行ったあの男は一体誰なの?)
じわじわと体温が下がってくるのを感じる。
嫌な予感しかしなかった。
その時、リビングの扉が突然開いてメイドが転がるように飛び込んできた。
「だ、旦那様!萩乃お嬢様!大変でございます!」
メイドは肩で息をしながら真っ青な顔をしている。
そのあまりの様子に、萩乃と小一郎は思わず立ち上がった。
「ど、どうしたんだね?そんなに慌てて・・・」
メイドは胸を手で押さえながらどうにか息を整え、叫ぶように言った。
「蝶子お嬢様が誘拐されました!」



