____「お嬢様、朝ですよ。」


暖かい日差しが差し込み、カーテンから流れる風が心地良い朝。
私の1日は、執事たちによって始まる。


「んぅ…もうちょっと寝る……」

「だーめ。ほら、起きないとちゅーしちゃいますよ?」


心臓に悪い一言に、ガバッと飛び起きる。


「あーあ、起きちゃいましたか。」

「なに残念そうにしてるのよ…」

「ふふ。お嬢様、おはようございます。」


可愛い顔をしながらいたずらっ子な笑みを浮かべているこいつは、『黒崎 優』。


「今日の紅茶はアイスかホット、どちらにしますか?」

「……ホット。」

「わかりました、今すぐ用意しますね。」





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「玲花様、おはようございますっ!」

「んー、おはよー。」

「今日も美しいです、玲花様っ!」

「はいはい、ありがと。」



毎朝私のことを褒めちぎり、子犬のように抱きついてくるこの男は『藍川 颯太』。



「颯太、お前お嬢にそんな引っ付くなよー!」

「お前も一応執事なんだからよぉ。」


そしてそれを、毎朝止めてくるこの男は『赤井 健人』。



「玲花ちゃんー、おはよー。」

「もう僕の大嫌いな朝だねー。」


この覇気のない声で抱きついてくるのは、『白石 蓮』。



「ったく、朝から玲花にベッタリとかあほらし。」

「ちょっとは執事としての威厳を持てよ!」


チワワのようにキャンキャン吠えて文句を言ってくるのは、『紫藤 亮』。






「蓮、引っ付かないで。邪魔!!」

「えー、玲花ちゃんつめたーい。」

「もう遅刻寸前なのよ!まったく、朝は時間が無いのに…!!」

「お嬢様、忘れ物はございませんか?」

「多分ない!」

「お嬢のそれは大体あるしなぁ、、」

「うっさい!」

「…あっても、あんたたちが届けてくれるでしょ。」

「はー、玲花様かわいー♡♡♡♡」

「気をつけてねー、玲花ちゃん」

「ドジだからって事故に遭うなよ」

「お嬢、ほんとに気をつけてっすよ!」








「お嬢様、気をつけてくださいね。」







「…はいはい。」




「いってきます!」





一同「いってらっしゃいませ、お嬢様、」