幼なじみは私の秘密の吸血鬼【マンガシナリオ】

アルト「姫花。好きだよ」
アルト「幼なじみとしてじゃない。一人の男として、おまえが好きだ」

固まる姫花
しばらく顔を赤くして見つめ合う二人

アルト「言っておくけど、今おまえが俺に告ろうとしてたからじゃねぇからな」
姫花「え……?」
アルト「前に……幼なじみやめるって喧嘩した時あっただろ」
姫花「う、うん」
アルト「俺は、そん時からおまえのこと……す、好きだった」
姫花「え!? 嘘……」
アルト「嘘じゃねぇ」
アルト「だから言っただろ! 『おまえがそうなら“今はまだ”幼なじみでいい』って」
姫花「だったらその時に言ってくれても……」
アルト「あん時はおまえ、幼なじみじゃなきゃ嫌だ~ってアホみたいに泣きまくってたじゃねぇか!」
姫花「あ、アホみたいって何よ!」
アルト「とにかくおまえは俺とそういう仲になるより、幼なじみの方がいいんだって思ったんだよ」
姫花「うっ……」

痛い所を突かれる姫花

アルト「それで?」
姫花「へ?」
アルト「あの転校生と、何楽しく喋ってやがったんだよ」
姫花「えっ、え……それ、嫉妬?」
アルト「そうだよ!」

顔を真っ赤にさせて逆ギレするアルト

姫花「ホントにゲームの話なんだってば」
姫花「というか、前からお世話になってたゲーム友達が狩夜くんだったの」
アルト「はあ? そんな偶然あるのかよ」
アルト「あいつホントに俺たちに近付くために裏で手を回してんじゃ……」
姫花「違うってば。狩夜くんはホントに私とアルトのこと心配してくれてるの」
アルト「……やけにあいつの肩持つじゃん」
姫花「もぉおおおおお!」

やきもちを妬くアルトに向き直る姫花

姫花「じゃあ私も言わせてもらう!」
アルト「な、なんだよ……」
姫花「アルト。好きだよ!」

ビックリして固まるアルト

姫花「私こそハッキリ言わなくてごめん」
姫花「幼なじみとして……でもそれ以上に、アルトのことが好きだよ!」
アルト「お、おう……」

見つめ合う二人

アルト「……なあ」
姫花「ん……?」
アルト「キスしていい?」
姫花「んなっ!?」

恥ずかしさで慌てる姫花
照れながらも少しずつ迫るアルト

アルト「言っておくけど、満月の日だからじゃねぇよ?」
アルト「血なんかより、ずっとずっと姫花がほしい」
姫花「アルト……」

そうしてゆっくりと唇を重ねるアルトと姫花
見つめ合い、何度もキスをする


〇翌朝、姫花の家の前

姫花「行ってきまーす」

姫花、自分の家から出て隣の家へ向かう
アルトの家のインターフォンを鳴らすが応答無し
姫花、窓の方を向く

姫花「アルトー! 遅刻するよー!」

窓がガラリと開き、アルトが身を乗り出す

アルト「今行く!」
姫花「ちょっ……」

アルト、窓から飛び降りて着地

姫花「もぉー。だからそれ危ないってば」
アルト「へーきだ、って」

そこでハッとなるアルト

アルト「またあの転校生いないだろうな……」

キョロキョロと辺りを見回すアルト

アルト「ふう、いないようだな」
姫花「アルトー、置いてくよー」
アルト「待てってばー」

通学路を行く二人
並んであるく二人は、会話を続けながらお互いに手を繋ぐことを意識する

アルト「………」
姫花「………」

指先が触れあいそうになり、緊張する二人
その時

姫花「アルト!」
アルト「うおッ!?」

突然声を上げた姫花にビビるアルト

アルト「な、なんだよ急に……」
姫花「あれ! あそこ見て!」
アルト「あ?」

姫花が指差す方には、4人の男たちに絡まれている狩夜の姿がある
そのまま路地裏に入っていく狩夜たち

姫花「………」
アルト「………」

目線を合わせる二人


〇路地裏

路地裏に連れ込まれた狩夜
毅然とした態度でいる

狩夜「ぶつかったのは悪かったが、道いっぱいに広がって騒いでいたら避けようにも避けられない」
男A「あぁ? 何口答えしてんだよ」
男B「殴られたくなきゃ金で誠意見せろや」
狩夜「………」

涼しい眼差しでため息をつく狩夜
真っ向から男たちとやり合おうと覚悟を決める
その時

アルト「あ~、ちょっといいっすか」
狩夜「!」
男たち「あぁ!?」

突如現れ、狩夜を庇う位置までやって来るアルト
アルトの登場に驚く狩夜と男たち

男A「なんだてめぇ」
男B「そいつの仲間か?」
アルト「いや、全然」
狩夜「………」
男A「何わけわかんねぇこと言ってんだ」
男B「てめぇも金出せや」

そこでアルトの目の色が赤色へと変わる

狩夜「……!」

狩夜、アルトが吸血鬼の力を使っていることに気付く

男A「あ? 何睨みつけて……」

男たち、アルトの魅了の力によってだんだん虚ろな表情になっていく

アルト「今日このことは忘れてとっとと立ち去れ」
男たち「「「「はい……」」」」

路地裏からノロノロと立ち去っていく男たち
入れ替わりに路地裏に入って来る姫花

狩夜「鷹山さん……」
姫花「狩夜くん、大丈夫?」
狩夜「ああ。彼のお陰で……」

二人でアルトの方を見ると、貧血のようにふらつくアルト

姫花「アルト!」

アルトを抱きとめる姫花

狩夜「……なるほど」
狩夜「吸血鬼のハーフだと、このぐらいの力で限界がくるのか」
アルト「冷静に分析してんじゃねーよ」

フラフラしながら冷静な狩夜にツッコミを入れるアルト

狩夜「……助かったよ。ありがとう」
アルト「お……おう」

素直にお礼を言う狩夜に面食らうアルト
と、姫花とアルトを見て何かを納得する狩夜

狩夜「あと、おめでとう」
アルト「あ?」
狩夜「付き合うことにしたんだろう?」
アルト「あぁん?」
姫花「あはは……えーと、はい」

照れる二人に、狩夜は微笑を向ける

狩夜「そうだね……」
狩夜「少なくとも来栖くんは、俺を助けてくれる優しい吸血鬼って上に報告しとくよ」
狩夜「これで貸し借り無しかな?」

笑ってその場を立ち去っていく狩夜
その背を見送る二人

アルト「はー……」
姫花「良かったねアルト」
姫花「っていうかそれよりも……」

姫花、ワイシャツのボタンを開ける
首から肩が露わになる

姫花「体、冷たいよ」
姫花「早く血を飲んで」
アルト「………」

ジッと姫花を見つめるアルト
そのままそっとキスをする

姫花「!? ちょっ」
アルト「言ったろ? 血よりも姫花が欲しい、って」
姫花「……馬鹿」

照れる姫花
そのまま見つめ合い、アルト、姫花の肩に吸い付く

姫花(私の幼なじみで恋人は――吸血鬼)

アルト「姫花――これ」
アルト「俺たちだけの秘密ね」

肩から口を離し、もう一度見つめ合う二人
そっと唇を重ねる

姫花(私の――秘密の吸血鬼)