月花のナイトに寵愛される




ぱちりと目を開ける。
知らない壁、香り、部屋に驚くけれど、すぐに昨日のことを思い出す。


――無事に朝を迎えてしまった。


部屋は電気が点きっぱなしで、布団も被らず、スマホも手に持ったまま。
部屋は誰かが侵入した気配はないし、鍵も閉まったままだ。
なにかされた可能性は低い。


そう考えて、助けてもらった立場でなにを言っているんだともう一人の私が言う。

それにあんなに優しくしてくれた湊を疑うなんてひどいものだ。

怖くて警戒するならこんなことしなければよかったのに。



……ああ、ダメだ。
ネガティブな自分を振り払うようにぐっと力を入れて起き上がる。


睡眠時間が十分じゃなかったのか体がだるいけれど自分が悪いので仕方がない。

スマホで時間を確認するとまだ1時間目に間に合う時間だった。

そしてそのことがわかってしまうとやっぱりダメだった。


体と心はたしかに悲鳴を上げているのに、私のなにかが動かしてしまう。