月花のナイトに寵愛される

すると湊はさっきまでと違い、少し言いづらそうに口を開いた。


「それから……保護者の人に連絡はできる?」
「え……」


初めて核心に触れることを聞かれた。
湊は眉尻を下げ、だけど私の目を見て話す。


「もしも連絡できるなら、無事だよって一応連絡してあげて。強制じゃないけど」


まさかそんなことを言われるとは思っていなかった。
だけどこくりと頷く。


「……うん。連絡は、しようと思う」


私の言葉を聞くと湊は安心したように口を緩めた。


「そっか。じゃあまた明日ね。俺は隣の部屋にいるから、なにかあったらすぐ呼んで」

「うん。湊、本当にありがとう」


ぺこりとお辞儀をすると彼はおかしそうに笑う。
そして優しい目で私を見た。


「おやすみ、依桜」


ぱちり、と瞬きする。
おやすみなんて挨拶、久しぶりに聞いた。

なにも言わない私を見て湊が「依桜?」と首をかしげる。
ううんなんでもないと首を振って、頑張って笑いかけた。


「おやすみなさい」


私の返事を聞くと、湊はふわりと笑って隣の部屋へと去っていく。