柊哉side
父さんの知り合いが院長を務める病院からオペの依頼があり、俺は多忙を理由にほとんど家には帰らなかった。
優茉を傷つけずに遠ざける方法が、まだわからない。答えが出ないまま少しずつ距離を空けている現状に、彼女は不安そうな顔をみせた。
オペの日取りが決まり俺はホテルに泊まる事に決め、しばらく帰れないと伝えると"私も実家に帰ります"とメッセージがきていた。
優茉...きっと一人であの部屋で過ごすのが限界だったのだろう。それは俺も痛いほどよく分かる。優茉が出て行った時、あの部屋にいるのがとても辛かったから。
結局この数週間は、ただ寂しい思いをさせているだけだよな...。俺が切り出せないでいるせいで、ずるずると先延ばしにしているせいで...。
そして、そのオペを理由に優茉の誕生日も命日も一緒には過ごせないと伝えた。俺には彼女の誕生日を祝う資格も、ましてやお墓に手を合わせる事など許されないだろう。
彼女からは"わかりました。お仕事頑張って下さい"と返事があり、こんな中途半端な事をしている俺をまだ信じて待ってくれているのだと感じ、心が痛くてたまらなかった。
答えを出せずに止まったままの俺の心とは反対に、容赦なく時間は過ぎていく。季節も進み外は桜の花も咲き始めた。いつもこの頃になると母さんの墓参りの事を考えるが、正直今は何も考えられない。カナダでの学会に出席する事も決まり、白河病院でのオペが終わった次の日には発つことになった。
夜一人になると考えるのは優茉の事ばかり。いくら諦めようと思っても、彼女を思い出さない日は一日もない。
毎日のように伊織からはメッセージが入り、おそらく彼から事情を聞いたであろう翔からも度々電話がかかってくる。今は何も言えないが、それでも心配してくれている親友二人の優しさは俺の心を温めてくれた。
父さんの知り合いが院長を務める病院からオペの依頼があり、俺は多忙を理由にほとんど家には帰らなかった。
優茉を傷つけずに遠ざける方法が、まだわからない。答えが出ないまま少しずつ距離を空けている現状に、彼女は不安そうな顔をみせた。
オペの日取りが決まり俺はホテルに泊まる事に決め、しばらく帰れないと伝えると"私も実家に帰ります"とメッセージがきていた。
優茉...きっと一人であの部屋で過ごすのが限界だったのだろう。それは俺も痛いほどよく分かる。優茉が出て行った時、あの部屋にいるのがとても辛かったから。
結局この数週間は、ただ寂しい思いをさせているだけだよな...。俺が切り出せないでいるせいで、ずるずると先延ばしにしているせいで...。
そして、そのオペを理由に優茉の誕生日も命日も一緒には過ごせないと伝えた。俺には彼女の誕生日を祝う資格も、ましてやお墓に手を合わせる事など許されないだろう。
彼女からは"わかりました。お仕事頑張って下さい"と返事があり、こんな中途半端な事をしている俺をまだ信じて待ってくれているのだと感じ、心が痛くてたまらなかった。
答えを出せずに止まったままの俺の心とは反対に、容赦なく時間は過ぎていく。季節も進み外は桜の花も咲き始めた。いつもこの頃になると母さんの墓参りの事を考えるが、正直今は何も考えられない。カナダでの学会に出席する事も決まり、白河病院でのオペが終わった次の日には発つことになった。
夜一人になると考えるのは優茉の事ばかり。いくら諦めようと思っても、彼女を思い出さない日は一日もない。
毎日のように伊織からはメッセージが入り、おそらく彼から事情を聞いたであろう翔からも度々電話がかかってくる。今は何も言えないが、それでも心配してくれている親友二人の優しさは俺の心を温めてくれた。
