エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜

 家に帰っても頭がいっぱいで何もする気になれず、お昼に食べ損ねたお弁当を一人で食べた。
 一方的に人を蔑むような言い方はどうしても受け入れられないし、彼女は先生のスペックと外見に一目惚れしただけで全く内面を見ようともしていない。
 確かに私と一緒にいても何のメリットもないけれど、先生はそんな理由で結婚相手を選ぶような人じゃない。
 ベッドに入ってからも、落ち込んだりイライラしたり悲しかったり不安だったりいろんな感情がぐるぐると回って、全く眠気はやってこない。
 先生の事を考え、やっと眠れそうと微睡んでいるとガチャっと玄関の扉が開く音が聞こえたような気がした。頭を優しく撫でられる感覚に少しだけ瞼を上げると、目の前にはずっと見たかった先生の顔がある。
 「ごめん、起こして。おやすみ、優茉」
 先生、帰ってきたんだ...。ただただ会えた嬉しさが溢れ、気づけば自分から先生の胸に擦り寄っていた。腕が背中にまわりぐっと引き寄せられて、先生の体温に包まれる。
 この温もりが、やっぱり安心する...。先生の香りも頭に乗せられている手も優しく響く声も。
 何故だか涙が溢れて止まらなかったけれど、気づかれないようにそのまま胸に顔をくっつけ先生の鼓動を聞きながら目を閉じた。