エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜

柊哉side
 「優茉は?どうしてうちの病院に?」
 「私...不思議と小さい頃の記憶はほとんどないんですけど、入院していた時とても親切にして下さった事務の方がいて嬉しかった事は覚えているんです。なので、お世話になった病院で私も働きたいなと思いました」
 「...そう、なんだ。じゃあ休みの日は何をしているの?」
 「読書が好きなので、一日中大好きな小説を読んで過ごしてしまう事もあります。先生は?」
 「俺は...趣味と呼べるような物はないけど、昔からたまにジグソーパズルは作ったりする。カナダにいた頃は緑が多い公園が近くにあったから、よくそこを散歩していたな」
 「へぇ、いいですね。気持ちよさそう」
 お互いの事を知るため質問しあっているとマンションに到着し、優茉の荷物を持ってエレベーターをあがる。...にしても、荷物が少なくないか?確かに身の回りの物だけでいいとは言ったが...。
 部屋に着いてから言葉数の少ない優茉は、キョロキョロと落ち着かない様子。
 一通り案内しリビングへ促すと、後ろから着いてきた彼女はドアを開けると「わぁ」と声を漏らした。
 「とっても眺めがいいですね!バルコニーも広くて素敵...」
 「出てみる?」と窓を開けてバルコニーへ出ると、もうほとんど太陽は落ちて薄暗くなり街に明かりが灯り始めている。
 「ここは風が強いことが多いから、出る時は気をつけて。少し寒いし中に入ろう」