エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜

 チャペルの扉が開き、爽やかな風が吹き抜ける。キラキラと輝いているその中を一歩ずつ、柊哉さんのもとへと歩き始めた。
 彼に近づくにつれて、不思議と先程までの緊張はなくなり、ただただこの日を迎えられた喜びで自然と笑みが溢れる。
 前方には、ハワイアンブルーの海をバックに光を浴びて輝く彼が優しい笑顔で見つめている。そして少し見上げれば、澄み渡る青空からお母さん達が見守ってくれているよう。
 私、こんなに幸せでいいのかな...?
 今でもそう思う事があるけれど、もうそれを怖いと思う事はない。彼の愛をたくさんもらって、私は強くなれたから。今なら胸を張って言える。
 "お母さん、私を守ってくれて本当にありがとう。私とっても幸せだよ"

 彼に再会するまでは、何事もなく変わらない平和な毎日がずっと続けばそれがいいと思っていた。そんな毎日が、あの日から一変した。人生は小説よりも奇なりと言うけれど、まさか自分がそれを実感する日が来るとは思ってもみなかった。
 そして、ふと視線を落とした時に気がついた。彼が選んでくれたお花で作られたブーケの中に、一輪だけ淡い虹色のバラがあることを。
 レインボーローズ 花言葉は"奇跡"...
 私の人生に大きな輝きをくれた柊哉さんとの出会いは、まさに奇跡だ。そしてお互いに愛し合い、非情な運命も乗り越え結婚出来たことも奇跡。
 たくさんの想いを込めてくれたこのブーケは、私の宝物。彼の想いごとしっかりと抱きしめ、一歩また一歩と歩を進める。
 これからもこの奇跡が、ずっとずっと続きますように...
 そう願いながら、優しく微笑む大好きな彼の手を、ぎゅっと強く握りしめた。

 END