The previous night of the world revolution5~R.D.~

さて、これでシェルドニアでの役目も終わり。

一秒でも長く、こんな国にはいたくないので、とっとと帰りたいところだったが…。

残念ながら、一泊もせずに帰国するだけの時間はなかった。

そこで、俺達はアシミムが用意した、国賓用の高級ホテルに泊まることになった。

そう、俺達今、一応国賓扱いなんだよ。

お陰で、許可なしにホテルの外に出ることも出来ない。

ホテルまでは、アシミムの腰巾着、ルシードが案内してくれた。

最上階にある、超VIPのみが宿泊出来るスイートルームである。

「ここだ」

外壁も内装も、扉も廊下も何もかもが真っ白なホテル。

それだけで吐き気がするのに。

アシミムがわざわざ用意したホテルだと思うと、余計憂鬱な気分だ。

「…また、何か企んでるんじゃないだろうな」

ルルシーが、警戒心丸出しでルシードに尋ねた。

嫌味を込めて、わざとシェルドニア語で。

「我々にそのような意思はない」

「…とても信用出来ない」

「シェルドニア王家の名に誓って、無事に貴殿らをルティス帝国に帰すと約束する」

笑わせてくれる。

二代三代で変わる王家の名前に誓われて、何が安心出来るんだ?

「心配しなくて大丈夫ですよ、ルルシー」

俺もまた、わざとシェルドニア語で言った。

「このノータリン共が何を企んでいたとしても、俺達はその上を行ってやるだけのことです」

所詮こいつらは、洗脳という手段がなければ、一国を統治することも出来ないクズ共だ。

利用価値があるから利用しているが、俺達がこいつらの下に下ることはない。

絶対に。

「あれだけ痛い目を見ておいて、まだ俺達に手を出す勇気があるなら、今度こそ命を以て償ってもらうだけです」

脅しではない。

やると言ったら、俺はやる。

ルシードも、そんなことは分かっているだろう。

彼は黙って頷いた。

そして。

「…明日、また空港まで送る。何か必要なものがあったら、ホテルのスタッフに何でも言いつけてくれ」

そう言い残して、ルシードは去っていった。