「零様……」
「俺はお前と結ばれる『運命』を壊す。俺はお前ではなく、凛を愛した」
「それが、あなたの答えですか?」
「ああ、俺の答えだ」
綾芽様はひらりと着物の袖を広げて宣言する。
「この者二人を国外追放とする。二度とこの屋敷の敷居をまたぐことは許さぬ」
そう言って綾芽様は私達に背を向ける。
長年の付き合いからわかってしまう。
これは、綾芽様からの餞別であるということを……。
「行くぞ」
零様は私の手を引くと、屋敷の外へと向かった。
彼の後について歩き始めた瞬間、空から雪が降って来た。
「この春の国に雪とは……不吉な前兆じゃ……」
誰かがそう言った。
「いいえ、これは彼らの門出を祝う、祝福の淡雪です」
私を大切に思ってくれた『姉』が、最後にそう呟いたのが聞こえた。
「運命」を壊した私達には、これから困難が待ち受けるだろう。
だが、愛しいこの人となら、大丈夫。
私はただ、この手を離さず、隣で想い続けながら役に立ち続けるだけ。
私は、あなたとなら「運命」を壊したい──
「俺はお前と結ばれる『運命』を壊す。俺はお前ではなく、凛を愛した」
「それが、あなたの答えですか?」
「ああ、俺の答えだ」
綾芽様はひらりと着物の袖を広げて宣言する。
「この者二人を国外追放とする。二度とこの屋敷の敷居をまたぐことは許さぬ」
そう言って綾芽様は私達に背を向ける。
長年の付き合いからわかってしまう。
これは、綾芽様からの餞別であるということを……。
「行くぞ」
零様は私の手を引くと、屋敷の外へと向かった。
彼の後について歩き始めた瞬間、空から雪が降って来た。
「この春の国に雪とは……不吉な前兆じゃ……」
誰かがそう言った。
「いいえ、これは彼らの門出を祝う、祝福の淡雪です」
私を大切に思ってくれた『姉』が、最後にそう呟いたのが聞こえた。
「運命」を壊した私達には、これから困難が待ち受けるだろう。
だが、愛しいこの人となら、大丈夫。
私はただ、この手を離さず、隣で想い続けながら役に立ち続けるだけ。
私は、あなたとなら「運命」を壊したい──



