守護王の最愛~運命を壊す禁断の恋は、祝福の淡雪を降らせる~

 力が抜けた私は地面に倒れてしまいそうになる。
 そんな私を彼は抱き留めてくれた。

「よくやった」

 そうして零様に頭を撫でられて、私は少し俯いた。

「零様は香月様を見殺しにしたかったわけじゃないんですね」
「……」
「守護刀を通じて伝わってきました。香月様は妖気に乗っ取られてしまった自分が伊織様を傷つけそうになった。だから願った。自殺を命じてほしいと」
「……自分の大切な者を傷つけるくらいならば、あいつは死を選びたいと言った。それがあいつの最期の願いだった」
「私はどんなに苦しくても、あなたの傍にいたいです。あなたを想い続けたいです」
「ああ」

 私は零様の手に自分の手を重ねた。

「私は、『運命』を壊してもいいのですか?」
「お前だけにはさせない。俺も共にその罪を背負おう」

 誓い合った私達の後ろには、すでに大勢の護衛兵とその真ん中には綾芽様がいた。
 交錯する視線の中で、綾芽様は口を開く。

「霜月凛。お前は妖気を自ら取り込んで力とする『禁忌』を犯した。何か弁明はあるか?」

 護衛兵たちは私に向かって、みんな槍を向けている。
 私は首を横に振った。

「綾芽」