守護王の最愛~運命を壊す禁断の恋は、祝福の淡雪を降らせる~

 苦しくて苦しくて、あなたを想うたびにこの胸がぎゅっと握りつぶされるような感覚に陥る。

 どうして出会ってしまったのだろうか。
 どうして傍にいることを願ってしまったのだろうか。

 どんどん苦しくなるこの想いは、どうしたら消えてくれますか?
 あなたに会うたび嬉しくて、去っていく後ろ姿を見るのは寂しくて、そうしてもう一度会いたくなって……。
 もうあなたの隣にはあの人がいるのに。
 だから諦めて楽になりたいのに、どうして、どうしてこんなにも求めてしまうの。

 もう、忘れよう。
 この想いを断ち切って、そしてあの人の元を去ろう。

 そう決意して戸を開けた。

「──っ! ……なんで……」

 そこには長い黒髪と、青紫の瞳のその人が立っていた──。