綾芽様は一人一人にお礼を言って、笑顔を見せている。
ああ、なんてお似合いな二人なんだろうか。
護衛の一人として外から見ていた私は、いつもそう思っていた。
今日のお召し物もかっこいいな……。
そんな風に零様に視線を送ると、彼とうっかり目が合ってしまう。
私は慌てて目を逸らしたけど、なんだか罰が悪くなって裏庭の方へと向かった。
虫の声が聞こえて涼しい風が私の頬に当たる。
先程、酔っぱらった貴族様に無理矢理飲まされたお酒で少しふらつく。
『あっ!』
私は小石につまづいて転びそうになる。
その時、私の腕を誰かが力強く引っ張った。
『零、さま……!』
『飲め』
そう差し出された手にはお酒があり、私は首を左右に振った。
『い、いえ! その、もうこれ以上はお酒は……!』
『バカか。茶だ。よく見ろ』
『え……?』
よく見ると、零様が手に持っているのは小さめのお湯呑みだった。
受け取ると程よい温かさで、私は両手を温める。
ありがたく一口飲むと、ゆっくりと体にお茶が染み渡っていく。
すると、零様はそのまま去って行こうと私に背を向けた。
『あ、あの!』
ああ、なんてお似合いな二人なんだろうか。
護衛の一人として外から見ていた私は、いつもそう思っていた。
今日のお召し物もかっこいいな……。
そんな風に零様に視線を送ると、彼とうっかり目が合ってしまう。
私は慌てて目を逸らしたけど、なんだか罰が悪くなって裏庭の方へと向かった。
虫の声が聞こえて涼しい風が私の頬に当たる。
先程、酔っぱらった貴族様に無理矢理飲まされたお酒で少しふらつく。
『あっ!』
私は小石につまづいて転びそうになる。
その時、私の腕を誰かが力強く引っ張った。
『零、さま……!』
『飲め』
そう差し出された手にはお酒があり、私は首を左右に振った。
『い、いえ! その、もうこれ以上はお酒は……!』
『バカか。茶だ。よく見ろ』
『え……?』
よく見ると、零様が手に持っているのは小さめのお湯呑みだった。
受け取ると程よい温かさで、私は両手を温める。
ありがたく一口飲むと、ゆっくりと体にお茶が染み渡っていく。
すると、零様はそのまま去って行こうと私に背を向けた。
『あ、あの!』



