守護王の最愛~運命を壊す禁断の恋は、祝福の淡雪を降らせる~

 苦しくて苦しくて、でもそれ以上に、彼にこの想いを伝えられないのが辛い。

「だめ、私はただの部下で……」

 彼の心に入ることは許されない。
 隣に立つことも、私にはできない。
 それなのに、零様を想ってしまう。

「どうしたら……っ!!!」

 その瞬間、急に先程とは比べ物にならないくらいの息苦しさに襲われる。

「んぐっ……ごほっ……」

 咳き込んで息を吸おうとしてもうまくできない。

「はあ……はあ……」

 やがて視界がぼやけてきて、段々暗くなっていく。
 ああ、死ぬのかもしれない。

「零、様……」

 私は彼の名を呼んだのを最後に、気を失ってしまった──