守護王の最愛~運命を壊す禁断の恋は、祝福の淡雪を降らせる~

 なんとか相手のもう一方の手の攻撃を守護刀で防ぎ、相手と交戦する。
 妖魔は人型をしており、少年のような姿をしていた。

「なーんだ、止めちゃったのか」
「んぐっ……」
「凛っ!」

 綾芽様から光が放たれる。
 その光の槍を妖魔は交わすと、部屋の外へと飛び退いて私達と距離を取る。

「会いたかった、桜華姫」

 にやりと笑った彼は一気に狙いを綾芽様に絞って、距離を詰めようとした。
 素早い動きで綾芽様へと詰め寄る彼と綾芽様の間に、私は勢いよく飛び込む。

「邪魔するなよ」
「綾芽様には指一本触れさせない」

 私は守護刀を相手の首元目がけて突き刺すが、それをひらりと交わす。
 相手も妖力によって作り出した脇差ほどの刀で、こちらに攻撃を仕掛けてきた。

 普段稽古で見ているような刀の振りとは違い、彼はむやみやたらに振り回している。
 しかし、人間の体の動きや構造と異なるため、不規則かつ予想しづらい攻撃でこちらを翻弄してきた。

「ほらほらほら! 避けないと死んじゃうよっ!?」
「──っ!」

 彼の縦横無尽に展開される攻撃で、私は体にいくつかの切り傷を作ってしまう。

「凛っ!」