守護王の最愛~運命を壊す禁断の恋は、祝福の淡雪を降らせる~

 部隊の隊長でありながら、自ら私に稽古をつけてくださる。
 優しくて、強くて、護衛隊の長である零様にも信頼されている人。

 そうして考えていた時に、先程のもう一つの言葉が思い出された。

『伊織には注意しろ』

 あれはどういう意味なのだろうか。
 何を注意する?
 私は零様の意図がわからずに、稽古もそこらで考え込んでしまった。


 そうしていよいよ零様の生誕の宴が始まる。
 あんなに長くて苦しい夜になるなんて、この時の私は想像もしていなかった──