「春の麗香式」がおこなわれた翌日も、私は鍛錬を積む。
「相変わらず早いな」
「伊織様、おはようございます」
稽古槍を振る手を止めて、あくびをしながら縁側に来た伊織様に頭を下げる。
「今日は槍の鍛錬か」
「はい、様々なものに触れて妖魔との戦闘に生かしたくて」
「いいと思うぞ。まあ、俺の槍技には到底及ばないけどな」
「いつか超えて見せます、絶対に」
無理無理、と手をひらひらとさせながら伊織様は去っていく。
そうして稽古を始めようとした時、何かを思い出したようで、ぴたりと立ち止まった。
「そうだ、今夜は遅くまで警備だからあまり稽古しすぎて疲れるなよ?」
「もちろんです」
「ならよし」
伊織様は満足そうに頷くと、食堂の方に向かわれた。
今日の夜は『守護王』である零様の生誕の宴が開かれる。
主に一般護衛兵が警備につくが、一部私が所属している妖魔専門護衛隊の者も参加することになっていた。
私は一心不乱に槍を振る。
そうして右手をあげて、今度は目の前にある塀の傷を狙って突く練習を始めた。
「相変わらず早いな」
「伊織様、おはようございます」
稽古槍を振る手を止めて、あくびをしながら縁側に来た伊織様に頭を下げる。
「今日は槍の鍛錬か」
「はい、様々なものに触れて妖魔との戦闘に生かしたくて」
「いいと思うぞ。まあ、俺の槍技には到底及ばないけどな」
「いつか超えて見せます、絶対に」
無理無理、と手をひらひらとさせながら伊織様は去っていく。
そうして稽古を始めようとした時、何かを思い出したようで、ぴたりと立ち止まった。
「そうだ、今夜は遅くまで警備だからあまり稽古しすぎて疲れるなよ?」
「もちろんです」
「ならよし」
伊織様は満足そうに頷くと、食堂の方に向かわれた。
今日の夜は『守護王』である零様の生誕の宴が開かれる。
主に一般護衛兵が警備につくが、一部私が所属している妖魔専門護衛隊の者も参加することになっていた。
私は一心不乱に槍を振る。
そうして右手をあげて、今度は目の前にある塀の傷を狙って突く練習を始めた。



