翌日。
「おはよう、冬人くん!」
教室で声をかけると、
「……おはよ。」
それだけ。
目も合わせてくれない。
昼休み。
「一緒にお昼食べる?」
「無理。」
即答。
放課後。
「一緒に帰る?」
「部活ある。」
ないくせに。
付き合ってるのに全然甘くない。
むしろ冷たい。
(もしかして嫌われてる……?)
そんな不安ばかりが大きくなっていった。
そして付き合って一週間後。
私は思い切って聞いた。
「冬人くんって……本当に私のこと好きなの?」
その瞬間。
冬人くんがぴたりと止まった。
「は?」
「だって全然話してくれないし……」
「……。」
「付き合ったの後悔してるなら――」
「してない。」
強く言い切られた。
「え?」
「後悔なんかしてない。」
冬人くんは少しだけ目を逸らした。
耳が赤い。
え……?
もしかして。
「じゃあなんでそんな冷たいの?」
「……。」
「冬人くん?」
「慣れてないんだよ。」
小さな声だった。
「え?」
「彼女とか。」
私は目を丸くした。
冬人くんが?
モテモテなのに?
「今まで付き合ったことないし。」
「えぇ!?」
「うるさい。」
「だって意外すぎる!」
「だからどう接したらいいかわかんねぇんだよ。」
その顔は少し恥ずかしそうだった。
学校一の王子様のそんな表情を見たのは初めてだった。
なんだ。
冷たいんじゃなかった。
照れてただけなんだ。
その日から少しずつ距離が縮まった。
一緒に帰ったり。
電話したり。
休日に遊びに行ったり。
そしてある日。
駅前で待ち合わせをしていた時だった。
「紗羅!」
聞き慣れた声がする。
振り返ると男子クラスメイトが手を振っていた。
「今日かわいいじゃん!」
「ありがとう!」
そう返した瞬間だった。
ぐいっ。
腕を引かれる。
気づけば私は冬人くんの隣にいた。
「ふ、冬人くん?」
「……。」
不機嫌そう。
そしてクラスメイトに向かって、
「悪い。こいつ俺の彼女だから。」
と言った。
「え!?」
私の心臓が跳ね上がる。
クラスメイトは笑いながら去っていった。
残された私と冬人くん。
「嫉妬したの?」
聞いてみる。
すると、
「……別に。」
「したんだ。」
「してない。」
「してる。」
「……。」
図星らしい。
耳が真っ赤だった。
かわいい。
そう思った瞬間。
冬人くんがぼそっと言った。
「他のやつに笑いかけんな。」
「え?」
「勘違いされる。」
「ふふ。」
「笑うな。」
「だって嬉しいんだもん。」
すると冬人くんは私の手をそっと握った。
びくっと肩が震える。
「冬人くん?」
「離すなよ。」
「うん。」
「絶対。」
その時だけはいつもの無表情じゃなかった。
少し照れていて。
少し不器用で。
でも誰より優しい顔だった。
学校一の人気者は、
実はとても不器用で、
とても嫉妬深くて、
そして――
私のことを誰よりも大切にしてくれる人だった。 💕
「おはよう、冬人くん!」
教室で声をかけると、
「……おはよ。」
それだけ。
目も合わせてくれない。
昼休み。
「一緒にお昼食べる?」
「無理。」
即答。
放課後。
「一緒に帰る?」
「部活ある。」
ないくせに。
付き合ってるのに全然甘くない。
むしろ冷たい。
(もしかして嫌われてる……?)
そんな不安ばかりが大きくなっていった。
そして付き合って一週間後。
私は思い切って聞いた。
「冬人くんって……本当に私のこと好きなの?」
その瞬間。
冬人くんがぴたりと止まった。
「は?」
「だって全然話してくれないし……」
「……。」
「付き合ったの後悔してるなら――」
「してない。」
強く言い切られた。
「え?」
「後悔なんかしてない。」
冬人くんは少しだけ目を逸らした。
耳が赤い。
え……?
もしかして。
「じゃあなんでそんな冷たいの?」
「……。」
「冬人くん?」
「慣れてないんだよ。」
小さな声だった。
「え?」
「彼女とか。」
私は目を丸くした。
冬人くんが?
モテモテなのに?
「今まで付き合ったことないし。」
「えぇ!?」
「うるさい。」
「だって意外すぎる!」
「だからどう接したらいいかわかんねぇんだよ。」
その顔は少し恥ずかしそうだった。
学校一の王子様のそんな表情を見たのは初めてだった。
なんだ。
冷たいんじゃなかった。
照れてただけなんだ。
その日から少しずつ距離が縮まった。
一緒に帰ったり。
電話したり。
休日に遊びに行ったり。
そしてある日。
駅前で待ち合わせをしていた時だった。
「紗羅!」
聞き慣れた声がする。
振り返ると男子クラスメイトが手を振っていた。
「今日かわいいじゃん!」
「ありがとう!」
そう返した瞬間だった。
ぐいっ。
腕を引かれる。
気づけば私は冬人くんの隣にいた。
「ふ、冬人くん?」
「……。」
不機嫌そう。
そしてクラスメイトに向かって、
「悪い。こいつ俺の彼女だから。」
と言った。
「え!?」
私の心臓が跳ね上がる。
クラスメイトは笑いながら去っていった。
残された私と冬人くん。
「嫉妬したの?」
聞いてみる。
すると、
「……別に。」
「したんだ。」
「してない。」
「してる。」
「……。」
図星らしい。
耳が真っ赤だった。
かわいい。
そう思った瞬間。
冬人くんがぼそっと言った。
「他のやつに笑いかけんな。」
「え?」
「勘違いされる。」
「ふふ。」
「笑うな。」
「だって嬉しいんだもん。」
すると冬人くんは私の手をそっと握った。
びくっと肩が震える。
「冬人くん?」
「離すなよ。」
「うん。」
「絶対。」
その時だけはいつもの無表情じゃなかった。
少し照れていて。
少し不器用で。
でも誰より優しい顔だった。
学校一の人気者は、
実はとても不器用で、
とても嫉妬深くて、
そして――
私のことを誰よりも大切にしてくれる人だった。 💕


