「でも、通訳はサジットもいるのでしょう。二人で確認しながら訳していったらいいんじゃないかしら」
「サジットだって? 奴は数字はダメなんだ」
「ダメって?」
「南の島の出身でね、そこで果物を作っていたそうだけど・・」
毎日とれるココナツは多くてもせいぜい二十個だ、それ以上の数字を俺は知らないんだ。あっけらかんとそう言った。
「だったら、そんな交渉で通訳をするのは?」
「ひとりってことさ」
自分を指差した。
「それに、言葉を訳していたらいろいろなことがあってね。ちょっと面倒な言い回しとか、そんなものがあるんだ」
「めんどうな言い回し?」
「そう。例えば negative form、ええと日本語では否定形と言うんだったっけ、その形の疑問文。それに対する答えが違ってくるんだよ。yes、no、がまったく逆になっている」
Yes、no ならなんとなくわかる。だが negative form など聞いたこともない。
「ええと、そうだな。例えば紫音に『あなたは男ではないですね?』 と聞くとするだろう。その答えは日本語だったら、『はい、男ではありません』となるよね。でも英語では『いいえ、男ではありません』となる。つまり、yes と no の使い方がまるで正反対になるんだ」
「サジットだって? 奴は数字はダメなんだ」
「ダメって?」
「南の島の出身でね、そこで果物を作っていたそうだけど・・」
毎日とれるココナツは多くてもせいぜい二十個だ、それ以上の数字を俺は知らないんだ。あっけらかんとそう言った。
「だったら、そんな交渉で通訳をするのは?」
「ひとりってことさ」
自分を指差した。
「それに、言葉を訳していたらいろいろなことがあってね。ちょっと面倒な言い回しとか、そんなものがあるんだ」
「めんどうな言い回し?」
「そう。例えば negative form、ええと日本語では否定形と言うんだったっけ、その形の疑問文。それに対する答えが違ってくるんだよ。yes、no、がまったく逆になっている」
Yes、no ならなんとなくわかる。だが negative form など聞いたこともない。
「ええと、そうだな。例えば紫音に『あなたは男ではないですね?』 と聞くとするだろう。その答えは日本語だったら、『はい、男ではありません』となるよね。でも英語では『いいえ、男ではありません』となる。つまり、yes と no の使い方がまるで正反対になるんだ」

