はるけき きみに  ー 彼方より -

 紫音が蒼白になった。
 マシューとサジットに武器はない。しかも多勢に無勢、太刀打ちできる訳がないのだ。
 悲惨な結果が目に見えている。

 しかし、
「必要なのだろう?」
 マシューが不敵な笑いを浮かべた。

「あのオランダ船に積んである荷物の情報だよ。銃があるのかないのか、あるとすればいったいどれほどなのか。その種類は、扱い方はどうするのか。知りたくてたまらないのだろう?」

 鹿島が目を剥いた。
「あるのか、銃が、本当に?」

「ここで刀を向けてみろ、絶対に教えないからな。オランダ船との交渉の(すべ)も、なにもかもだ」

 サジットも、
「そうだよ。ついでに言えば我々の通訳の力も欲しいのだろう? 殺してしまえば全部なくなるんだぞ」

「鹿島、お前の行動ですべてが決まる。俺らを敵に回していいのかどうか、そこを考えることだな」