部屋は酒のにおいに満ちていた。
接待をする、と言っていた女がいつの間にか酔いつぶれている。
徳利を持ってしだれかかられてもマシューとサジットは笑うだけだった。
用心して飲もうとしない酒を、女は自分の口に入れた。
飲み始めると驚くほど杯を重ねる。
そして、
「私らはいいように使われているのよ」
「そうそう。言われるまま酔っ払いの接待をして文句も言えないんだから」
「客の接待だって? 酒を注ぐだけじゃないんだよ、奥の部屋でどんなことをさせられるんだか」
「いつものことさ、私らは道具にすぎないんだよ、この屋敷のね」
「そうして用済みになったら捨てられるんだ、まるでゴミのようにね」
目がすごんでいた。
いま接待すべき客のことは眼中にないようだ。
マシューとサジットが互いを見た。
あきれたように目を丸めた。
酒のにおいがたまらず窓辺による。
見えるのはあの日本庭園だ。
手入れのされた松、東屋、生け垣。
と、その向こうに人影が見えた。
ヒゲの男が大柄な武士を案内している。
行く手は竹が茂る裏庭だ。
・・え? と思った。
そこは、間違いなく紫音が連れていかれた場所だった。
◆ ◆ ◆
接待をする、と言っていた女がいつの間にか酔いつぶれている。
徳利を持ってしだれかかられてもマシューとサジットは笑うだけだった。
用心して飲もうとしない酒を、女は自分の口に入れた。
飲み始めると驚くほど杯を重ねる。
そして、
「私らはいいように使われているのよ」
「そうそう。言われるまま酔っ払いの接待をして文句も言えないんだから」
「客の接待だって? 酒を注ぐだけじゃないんだよ、奥の部屋でどんなことをさせられるんだか」
「いつものことさ、私らは道具にすぎないんだよ、この屋敷のね」
「そうして用済みになったら捨てられるんだ、まるでゴミのようにね」
目がすごんでいた。
いま接待すべき客のことは眼中にないようだ。
マシューとサジットが互いを見た。
あきれたように目を丸めた。
酒のにおいがたまらず窓辺による。
見えるのはあの日本庭園だ。
手入れのされた松、東屋、生け垣。
と、その向こうに人影が見えた。
ヒゲの男が大柄な武士を案内している。
行く手は竹が茂る裏庭だ。
・・え? と思った。
そこは、間違いなく紫音が連れていかれた場所だった。
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