はるけき きみに  ー 彼方より -

「鹿島様に言いつかったのじゃ、お前から詳細を聞き出せとな。このあとご本人がおいでになる、この場所にだ。それなのにわしはどう申し開きをすればいいのだ」

 居丈高に言いながら訴えるような響きがある。

「この上は、この場でそなたを!」 

 紫音へ近づこうとしたとき、
「お待ちください」
 若い役人が止めた。
 あの石川だった。

「恐れながらこの場の詮議はここまでかと。この上は鹿島様の判断を仰ぐべきかと存じます。鹿島様がご臨席の上で質疑を再開されてはいかがでしょうか」

 ヒゲがはっとして、
「ああそうか、そうだったな。この上は鹿島様をお迎えに行こう。それでご指示を仰ぐべきかもしれんな」
 今度は大きくうなずいている。

 鹿島・・さまが?
 紫音の心臓がドクンと跳ねた。
 
 ここに来るというの。
 私を尋問するの、直接に?


          ◆  ◆  ◆