はるけき きみに  ー 彼方より -

 案内されたのは贅を尽くした座敷だった。

 そこに豪華な料理の数々が並んでいる。 

「どうです、見事でしょう。評判の料理人が腕を振るったのですよ。異国の人のお口に合えばいいのですが」
 近江屋が自慢げに言い、手をパンパンと打つ。

 奥から女が入って来た。
「お前たち頼むぞ。この方たちは大事なお客様だからな」
「任せてください。私たちが一生懸命お相手しますわ」

 と言ってマシューを見た。
「あらまあ、なんと美男子ですこと」
「ほんとうに。異人さんはいかつい方が多いのに、この方はうっとりするご容姿で・・」

「おいお前たち、接待するのはこの方もだ」
 押し出されたサジットが苦笑している。

「あら、これはとんだ失礼を」
「どうぞお気になさらずに、ね」
 わざとらしくサジットの腕をとる。

「それでは今日は楽しくいきましょう」
「お酒に酔っても大丈夫ですよ、私たちが介抱して上げますからね」
「そうです、奥の部屋にお泊りの用意もしてございます」

 意味ありげに笑っている。
 媚びたような笑みだった。

 介抱・・? 奥の部屋・・?

 サジットがマシューを見た。
 マシューも目を丸めて女を、そしてサジットを見た。


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