はるけき きみに  ー 彼方より -

 紫音と目が合った。
 向こうもマシューに驚いている。

 彼女は人垣の中にいた。
 そばにいるのはあの徳三だ。そして見知らぬ中年の女性もいる。
 その三人を数人の侍が囲んでいた。

「紫音じゃないか」
 マシューが呼び掛け、
「本当だ、どうしてここにいるんだい?」
 サジットも目を丸くしている。

「・・あの、ええと」
 紫音は答えようとした。
 だがそばの侍が手を上げて遮った。
 まるで、勝手に話すなと言っているかに見えた。

「なんだか様子がおかしいよ」
 サジットが言い、マシューが走り出す。

「この人をどこへ連れて行くんだ」
 侍の前に立ちはだかった。