はるけき きみに  ー 彼方より -

 その後も積み荷を満載した外国船がやって来る。
 彼らはこの街にいるはずの通訳を当てにしていた。しかし誰もいなかった。

 商談が成り立たなくなった。

 外国船は堺を見限り、他の港を目指す事態になっていた。


「さようでございますね」
 近江屋がしたり顔で言う。
「通訳を子飼いにしておけば、船の積み荷のもうけはいかようにも。鹿島様のお力もより強くなろうかと」

 事態がこうなった以上、新たな通訳の確保は必須だ。
 そんなときにマシューらがやって来た。

 彼らの不興を買うのは得策ではない、絶対に避けるべきことだった。


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