はるけき きみに  ー 彼方より -

 板戸から明かりが漏れている。
 その隙間から、表にいるマシューとサジットを見ている者がいた。

「いや、異人らはもっと知っていると思いますが」
 商人風の男だ。
「積み荷がどんなものであるのか、奴らは知らぬふうをしているのですよ」
 小声で侍に話しかけた。

 だが返事がない。
 もう一度言おうと身を寄せると、

「無礼だぞ近江屋、聞こえておるわ」

「これはとんだ失礼を。しかし鹿島様、あの異人らに用心することこそ肝要かと」

 鹿島は怒ったように口を捻じ曲げた。
 いきなり立ち上がると、

「部屋へ帰るぞ、大体のことはわかったからな」
「はい」