はるけき きみに  ー 彼方より -

 向こうに役所の門が見えている。
 いかめし気に帯刀した侍が立っていた。

 ふと徳三の声がした。
「やつらは、都で言う検非違使(けびいし)だよ」
 振り返ってわらっている。
 
「情け容赦なく罪人を裁くそうだぞ」
 揶揄を込めた、暗い笑みだった。

 マシューはこぶしを握った。
 無視するように前を向く。

 これからあそこで何が待ち受けているのか。
 いったいどんな扱いを受けるのか。

 サジットと顔を見合わせた。
 そして、息を詰めてゆっくり歩き出した。