「しかしながら、先ほど私が『本当に聞いていただきたいこと』と申し上げたのは、丹波様のご最後についてなのでございます」
「・・父の、最後の?」
「あの方は、最後に大事なことを言い残されて他界されました。それは愛娘である紫音さま、あなたに心から伝えたい気持ちであったと思うのです」
「言い残したこと? それをあなたは聞いたのですか」
「はい。ご容態が悪くなられて、あの鹿島は私に看護するよう命じました。他の者がお世話をすると、丹波様がその者に事の次第を告げるかも知れない。鹿島が仕出かした悪事の数々を明らかにされるかもしれない。だからすべてを知っている私に命じたのです」
「・・・・」
「丹波様の最後の言葉。ことがことだけに今までお伝えすることが出来ませんでした。でも市中がこうなって誰の命も危うくなった。そんな今だからこそ、あの言葉をお伝えせねばと決心したのです。だからこうしてお怒りを覚悟のうえでやって来たのです」
紫音はじっと関田を見た。
「事情は分かりました。では、それは何だったのですか、丹波の、父の残した言葉とはいったい?」
やっとの思いでそう聞いた。
◆ ◆ ◆
「・・父の、最後の?」
「あの方は、最後に大事なことを言い残されて他界されました。それは愛娘である紫音さま、あなたに心から伝えたい気持ちであったと思うのです」
「言い残したこと? それをあなたは聞いたのですか」
「はい。ご容態が悪くなられて、あの鹿島は私に看護するよう命じました。他の者がお世話をすると、丹波様がその者に事の次第を告げるかも知れない。鹿島が仕出かした悪事の数々を明らかにされるかもしれない。だからすべてを知っている私に命じたのです」
「・・・・」
「丹波様の最後の言葉。ことがことだけに今までお伝えすることが出来ませんでした。でも市中がこうなって誰の命も危うくなった。そんな今だからこそ、あの言葉をお伝えせねばと決心したのです。だからこうしてお怒りを覚悟のうえでやって来たのです」
紫音はじっと関田を見た。
「事情は分かりました。では、それは何だったのですか、丹波の、父の残した言葉とはいったい?」
やっとの思いでそう聞いた。
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