山道を、徳三は紫音の手を取らんばかりに上って行く。
紫音は歩きやすいように裾をからげ脚絆をして草鞋を履いている。腕には手甲をしていた。
そんな二人に、マシューとサジットが続いていた。
故郷のほぼ平坦な土地と違ってこの国は山が多かった。それも切り立った峻嶮な山脈が辺りに広がっている。
「まったくいつまで続くんだろうな、こんな都行脚は」
徳三が言い、紫音はわらい返した。
「みやこ、あんぎゃ?」
マシューが聞いた。
堺へ行きたいという自分らに、徳三はそれなら送ってやろうと言った。
ちょうど紫音が行く便があるからな、と。
彼女は、驚いたことに堺の地区会長に呼ばれていたのだった。
この間の嵐で増水した川の灌漑について、彼女にやってほしい事があるのだという。
「ぞうすいした川の、かんがい?」
「紫音に聞きたいことがあるんだって?」
サジットとマシューが同時に聞いた。
「うん、まあ俺も詳しいことは知らないんだが。紫音はあのあたりの屋敷のお嬢様だったんだ。それでえんち・・と言ったっけ。苑池という貯水池でなにかの操作をするらしいんだ」
そうだよな、と紫音に確認する。
聞かれて彼女は小さくうなずいた。
マシューはサジットと顔を見合わせた。
苑池? 貯水池で水の操作をする?
自分らが知らない言葉が羅列されていた。
◆ ◆ ◆
紫音は歩きやすいように裾をからげ脚絆をして草鞋を履いている。腕には手甲をしていた。
そんな二人に、マシューとサジットが続いていた。
故郷のほぼ平坦な土地と違ってこの国は山が多かった。それも切り立った峻嶮な山脈が辺りに広がっている。
「まったくいつまで続くんだろうな、こんな都行脚は」
徳三が言い、紫音はわらい返した。
「みやこ、あんぎゃ?」
マシューが聞いた。
堺へ行きたいという自分らに、徳三はそれなら送ってやろうと言った。
ちょうど紫音が行く便があるからな、と。
彼女は、驚いたことに堺の地区会長に呼ばれていたのだった。
この間の嵐で増水した川の灌漑について、彼女にやってほしい事があるのだという。
「ぞうすいした川の、かんがい?」
「紫音に聞きたいことがあるんだって?」
サジットとマシューが同時に聞いた。
「うん、まあ俺も詳しいことは知らないんだが。紫音はあのあたりの屋敷のお嬢様だったんだ。それでえんち・・と言ったっけ。苑池という貯水池でなにかの操作をするらしいんだ」
そうだよな、と紫音に確認する。
聞かれて彼女は小さくうなずいた。
マシューはサジットと顔を見合わせた。
苑池? 貯水池で水の操作をする?
自分らが知らない言葉が羅列されていた。
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