はるけき きみに  ー 彼方より -

 あるとき、一人の男がマシューを呼びに来た。
 彼は老牧師から職務を受け継いだ新任だった。

 その口から思いもかけないことを聞かされた。
 ゆうべ老牧師が倒れたのだと。
 そしてマシューを枕元に呼んでいるのだと。

 駆けつけたベッドで、マシューは手を握られた。
 臥している牧師はもう満足に話せない状態だった。

 それでも、
『・・人生は短い。自分が、何をしたいのか、そんな本能を、感じ取るのです』
 最後の力を振り絞るようにその口が動いた。

 彼の瞳が、きらきらと輝いていた。


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