〈side 寧璃〉
吐き出し会後、コウに連れられて廊下に出る。
コウは微笑まし気に佇んでいるので、悪い話ではないんだろう。
「それで・・・これ、病気じゃないんだろ?」
「うん。・・・ねぇネイ」
「ん?」
「俺とユキ、付き合ってたらどう思う?」
「え・・・?」
予想外の質問。
なんで・・・コウとユキは付き合ってんのか・・・?
たしかに、ライブでハグしたり顎クイしたり体を密着させたりしてるけど・・・まさか、そう言うコトで・・・。
「あれ・・・」
苦しい。
さっきと同じ苦しさ。
なんでだ・・・?
応援するべきなのに、それを拒否するかのように胸が締め付けられて痛い。
「ネイさ・・・ユキが好きなんだよ」
「・・・は?」
なに言ってんだ胡瞳・・・。
「ユキのコトは好きに決まってんだろ。好きじゃなかったら一緒にいねぇよ。デビューは1年目だけど出会って1年目ではないぞ?」
「ユキの天然さでその回答ならわかるけど・・・ネイだとテンプレ使ってるみたい」
どーゆーコトだよ・・・。
「・・・あれ?ちょっと待って、ネイって恋愛未経験?」
「そうだけど・・・ファンを悲しませたくないし、それ以前にいい奴なんて全然いないじゃん。ユキと普段一緒に居ればなおさらさ」
「あのねぇ・・・僕が言ってる『好き』はLikeじゃなくてLove。ネイは、ユキが恋愛的に好きで、ユキと僕が仲良くしてたから嫉妬してんの」
「いや・・・それはないだろ」
「じゃあ僕かセイがユキと結婚しても嫌じゃない?」
結婚・・・いや、じゃないか?
それは・・・どうなんだろう。
応援するべきだし、祝福するべき。
素直に応援も祝福もできないなんて・・・俺って最低じゃん。
大切な2人が幸せになってるのを見るのがつらいって・・・。
「ほら。嫌なんでしょ?ネイはユキが好き。・・・それでいいんじゃない?」
「え?」
「僕はもちろん、セイも多分恋愛的にユキが好き。その中にネイが仲間入りしただけじゃん」
驚いていると、それに・・・とコウがニヤリと嗤う。
「ネイがユキを好きになろうと、ユキが好きになるのは僕だから。それだけのアピールを、僕はしてきた。渡すわけないじゃん」
「・・・そっか。じゃあ俺も本気出していいだな」
そう返すものの、不安でしかない。
コウって普段『僕(⤴)』なのに本気になると『僕(⤵)』になるし。
「にしても・・・俺に教えてよかったの?」
「そりゃぁ・・・正々堂々奪うのが僕のやり方だから」
「そ・・・じゃあもう行くわ。ユキんトコ行きたいし」
「うわ・・・気持ちに気づいた瞬間ベッタリか。セイもすぐ気づくだろうな・・・まぁ、この時点で気づいてるだろうけど」
コウが恐ろしいものでも見たかのように体を仰け反らせて大袈裟に口を押える。
「うるさい。コウはゆっくりお手洗いでも行ってきて」
「加えて独占欲強めとか。怖いって、歌合戦でそんな姿見せないでよ?」
「表では見せない。楽屋ではお前の前でイチャイチャする」
こんな掛け合いが楽しい。
そう思えるくらいには、俺はコウを信頼してるんだろう。
〈side 寧璃 END〉
吐き出し会後、コウに連れられて廊下に出る。
コウは微笑まし気に佇んでいるので、悪い話ではないんだろう。
「それで・・・これ、病気じゃないんだろ?」
「うん。・・・ねぇネイ」
「ん?」
「俺とユキ、付き合ってたらどう思う?」
「え・・・?」
予想外の質問。
なんで・・・コウとユキは付き合ってんのか・・・?
たしかに、ライブでハグしたり顎クイしたり体を密着させたりしてるけど・・・まさか、そう言うコトで・・・。
「あれ・・・」
苦しい。
さっきと同じ苦しさ。
なんでだ・・・?
応援するべきなのに、それを拒否するかのように胸が締め付けられて痛い。
「ネイさ・・・ユキが好きなんだよ」
「・・・は?」
なに言ってんだ胡瞳・・・。
「ユキのコトは好きに決まってんだろ。好きじゃなかったら一緒にいねぇよ。デビューは1年目だけど出会って1年目ではないぞ?」
「ユキの天然さでその回答ならわかるけど・・・ネイだとテンプレ使ってるみたい」
どーゆーコトだよ・・・。
「・・・あれ?ちょっと待って、ネイって恋愛未経験?」
「そうだけど・・・ファンを悲しませたくないし、それ以前にいい奴なんて全然いないじゃん。ユキと普段一緒に居ればなおさらさ」
「あのねぇ・・・僕が言ってる『好き』はLikeじゃなくてLove。ネイは、ユキが恋愛的に好きで、ユキと僕が仲良くしてたから嫉妬してんの」
「いや・・・それはないだろ」
「じゃあ僕かセイがユキと結婚しても嫌じゃない?」
結婚・・・いや、じゃないか?
それは・・・どうなんだろう。
応援するべきだし、祝福するべき。
素直に応援も祝福もできないなんて・・・俺って最低じゃん。
大切な2人が幸せになってるのを見るのがつらいって・・・。
「ほら。嫌なんでしょ?ネイはユキが好き。・・・それでいいんじゃない?」
「え?」
「僕はもちろん、セイも多分恋愛的にユキが好き。その中にネイが仲間入りしただけじゃん」
驚いていると、それに・・・とコウがニヤリと嗤う。
「ネイがユキを好きになろうと、ユキが好きになるのは僕だから。それだけのアピールを、僕はしてきた。渡すわけないじゃん」
「・・・そっか。じゃあ俺も本気出していいだな」
そう返すものの、不安でしかない。
コウって普段『僕(⤴)』なのに本気になると『僕(⤵)』になるし。
「にしても・・・俺に教えてよかったの?」
「そりゃぁ・・・正々堂々奪うのが僕のやり方だから」
「そ・・・じゃあもう行くわ。ユキんトコ行きたいし」
「うわ・・・気持ちに気づいた瞬間ベッタリか。セイもすぐ気づくだろうな・・・まぁ、この時点で気づいてるだろうけど」
コウが恐ろしいものでも見たかのように体を仰け反らせて大袈裟に口を押える。
「うるさい。コウはゆっくりお手洗いでも行ってきて」
「加えて独占欲強めとか。怖いって、歌合戦でそんな姿見せないでよ?」
「表では見せない。楽屋ではお前の前でイチャイチャする」
こんな掛け合いが楽しい。
そう思えるくらいには、俺はコウを信頼してるんだろう。
〈side 寧璃 END〉



