「出る」
まさかの即答。
まぁ、苦しいと言っても表情には出てないし、不思議そうに自分の胸を押さえてるくらいだ。
大丈夫かな・・・シウさんにも事情を説明して・・・。
「・・・あ!」
スマホを取り出した私に視線を移したコウが声を上げる。
「わかった。ネイ、体調が悪いわけじゃないんだよね?」
「うん、普通」
「じゃあ、大丈夫だからあとで話そう。歌合戦にも出れるし、原因が分かっただけだから」
「そー・・・?」
不安そうにネイが首をかしげる。
いつもグループの明るい・・・サッカー少年みたいなネイのそんな表情は、可愛い。
スポーツ万能なモテ期が今も続いているネイだけど、何故かコウへの人気には勝てないんだよね・・・。
どっちも格好いし、私はどっちも好きなんだけど。
もちろん、セイだって人気だ。
『お兄ちゃんになってほしいアーティスト』ランキング2位だし。
年に1回、夏休みくらいの期間にあるランキングが面白くて、メンバーで見ていたらセイがランクインしていたんだ。
コウは『彼氏になってほしいアーティストランキング』1位、ネイが4位。
私は『妹になってほしいアーティストランキング』1位だった。
妹・・・まぁ、バンドとしても社会からしても私はまだ幼いんだろうなぁ・・・。
「じゃあ続けようか」
セイが仕切り直し、また吐き出し会が再開される。
「僕はもう少しセイに目立ってほしい。ずっと後ろにいるから・・・あ」
そう言いかけたコウが止まる。
そしてスマホで何かをいじった後、ニコっと笑って見せた。
「セイ、首から小太鼓下げてライブしない?録音したドラムの音流してさ」
「面白そ。最大限までファンの近く行けるのか」
「ん、ネイと一緒にさ」
「やりたい!やろーよセイ」
吐き出し会だけど、アイデアにつながるコトもしばしば。
だからやっぱり重要だよね。
「8時からだから・・・メイク時間と着替え時間、サインと写真撮影もあって・・・5時半には着いていようか」
「うん、僕はネイと少し話してくるから、それからパーティーしよ!」
そう言ってコウがネイを連れてリビングを出て行く。
「じゃあパーティーの準備しとくか?」
「うん、お昼ごはんの準備はしておくから、とりあえず乾杯だけする?」
「いっぱい写真撮ろ!」
「SNSあげる用の写真も取らないと」
「そのときはカチューシャでも付けるか?」
修学旅行とか遠足とか、準備が一番楽しいよね。
揃えて、詰め込む時間が私は一番好き。
最近で言えば、歌番組やライブの服を確認したり。
MVの編集に携わったりね。
デザインを決めたりするのも好き。
ARTEMIS──通称アル──コラボの商品も、デザインは大体私がしていた。
音楽の道に進む前は、デザイナーになろうと思ってたから。
建築士にグラフィックデザイナー、インテリアデザイナー、ファッションデザイナー・・・こんな職業がいいなって、夢を膨らませてきたな・・・。
・・・おっと、準備しないと。
今あるもので作るとすると・・・と冷蔵庫を見ると、驚くほどに食材が詰まっている。
期限を見ると、コウがこの日のためにたくさん買っていたのが分かった。
じゃあタパスとパスタとリゾットでいいかな。
種類をいくつか作ってみんなで取って食べればいいし、パーティーっぽいよね。
「あ、モクテルとジュース・・・!」
さすがコウ、ちゃんとモクテル──ノンアルコールのカクテル──を買ってる。
セイらへんだったら普通にアルコール買ってきてそう。
私たちは20歳と21歳だからお酒を飲める。
この後歌合戦だからちゃんと配慮してあるのがコウらしい。
そして、ちゃんとお酒が苦手な私用にジュースを買ってきてくれてるのも。
とりあえずコップに注いでカットフルーツを乗せる。
そうだ、フルーツとコーンフレーク、ゼリーもあるし簡単なパフェでもデザートに作ろうかな。
衣装が入らないくなったら困るので、もちろん料理もデザートも少量だけど。
「セイ、ドリンク持ってって!まだ飲んじゃだめだよ?」
「はーい・・・あ、モクテル!コウに貢ぐわ」
「調子がいいんだから」
呆れながらそう言って、ドリンクだけお盆に載せて運んでもらう。
乾杯したらみんなにはカードゲームかテレビゲームかなんかしてもらって、その間に料理を作っておこう。
まさかの即答。
まぁ、苦しいと言っても表情には出てないし、不思議そうに自分の胸を押さえてるくらいだ。
大丈夫かな・・・シウさんにも事情を説明して・・・。
「・・・あ!」
スマホを取り出した私に視線を移したコウが声を上げる。
「わかった。ネイ、体調が悪いわけじゃないんだよね?」
「うん、普通」
「じゃあ、大丈夫だからあとで話そう。歌合戦にも出れるし、原因が分かっただけだから」
「そー・・・?」
不安そうにネイが首をかしげる。
いつもグループの明るい・・・サッカー少年みたいなネイのそんな表情は、可愛い。
スポーツ万能なモテ期が今も続いているネイだけど、何故かコウへの人気には勝てないんだよね・・・。
どっちも格好いし、私はどっちも好きなんだけど。
もちろん、セイだって人気だ。
『お兄ちゃんになってほしいアーティスト』ランキング2位だし。
年に1回、夏休みくらいの期間にあるランキングが面白くて、メンバーで見ていたらセイがランクインしていたんだ。
コウは『彼氏になってほしいアーティストランキング』1位、ネイが4位。
私は『妹になってほしいアーティストランキング』1位だった。
妹・・・まぁ、バンドとしても社会からしても私はまだ幼いんだろうなぁ・・・。
「じゃあ続けようか」
セイが仕切り直し、また吐き出し会が再開される。
「僕はもう少しセイに目立ってほしい。ずっと後ろにいるから・・・あ」
そう言いかけたコウが止まる。
そしてスマホで何かをいじった後、ニコっと笑って見せた。
「セイ、首から小太鼓下げてライブしない?録音したドラムの音流してさ」
「面白そ。最大限までファンの近く行けるのか」
「ん、ネイと一緒にさ」
「やりたい!やろーよセイ」
吐き出し会だけど、アイデアにつながるコトもしばしば。
だからやっぱり重要だよね。
「8時からだから・・・メイク時間と着替え時間、サインと写真撮影もあって・・・5時半には着いていようか」
「うん、僕はネイと少し話してくるから、それからパーティーしよ!」
そう言ってコウがネイを連れてリビングを出て行く。
「じゃあパーティーの準備しとくか?」
「うん、お昼ごはんの準備はしておくから、とりあえず乾杯だけする?」
「いっぱい写真撮ろ!」
「SNSあげる用の写真も取らないと」
「そのときはカチューシャでも付けるか?」
修学旅行とか遠足とか、準備が一番楽しいよね。
揃えて、詰め込む時間が私は一番好き。
最近で言えば、歌番組やライブの服を確認したり。
MVの編集に携わったりね。
デザインを決めたりするのも好き。
ARTEMIS──通称アル──コラボの商品も、デザインは大体私がしていた。
音楽の道に進む前は、デザイナーになろうと思ってたから。
建築士にグラフィックデザイナー、インテリアデザイナー、ファッションデザイナー・・・こんな職業がいいなって、夢を膨らませてきたな・・・。
・・・おっと、準備しないと。
今あるもので作るとすると・・・と冷蔵庫を見ると、驚くほどに食材が詰まっている。
期限を見ると、コウがこの日のためにたくさん買っていたのが分かった。
じゃあタパスとパスタとリゾットでいいかな。
種類をいくつか作ってみんなで取って食べればいいし、パーティーっぽいよね。
「あ、モクテルとジュース・・・!」
さすがコウ、ちゃんとモクテル──ノンアルコールのカクテル──を買ってる。
セイらへんだったら普通にアルコール買ってきてそう。
私たちは20歳と21歳だからお酒を飲める。
この後歌合戦だからちゃんと配慮してあるのがコウらしい。
そして、ちゃんとお酒が苦手な私用にジュースを買ってきてくれてるのも。
とりあえずコップに注いでカットフルーツを乗せる。
そうだ、フルーツとコーンフレーク、ゼリーもあるし簡単なパフェでもデザートに作ろうかな。
衣装が入らないくなったら困るので、もちろん料理もデザートも少量だけど。
「セイ、ドリンク持ってって!まだ飲んじゃだめだよ?」
「はーい・・・あ、モクテル!コウに貢ぐわ」
「調子がいいんだから」
呆れながらそう言って、ドリンクだけお盆に載せて運んでもらう。
乾杯したらみんなにはカードゲームかテレビゲームかなんかしてもらって、その間に料理を作っておこう。



