人気バンドの紅一点?!~天然美女は溺愛される~

「いきまーす!」
ネイの声と同時に、『2:00』からだんだん数字が減っていく。
1曲がだいたい7秒くらい。
のこり60秒になったら、コウ、ネイ、私、セイの順で1つずつカウントダウンをしていく。
セイが13を言ったらコウとネイで12、私とセイで11と言い、10からは4人で言うコトになっている。
カメラが自分たちを映していないのをいいコトに、3人が身を乗り出して画面を見ていた。
「すげ・・・綺麗につながってる」
ネイが感嘆のため息を吐き、私はふふんと胸を張った。
「みんなを驚かせたくて頑張ったんだから!」
結構自信作なのだ。
そのまま順調にカウントダウンがされていき、ついに『1:03』になる。
最後の曲が終わり、コウが『60』と口にすると同時にまたなにか(●●●)が流れ始めた。
え・・・。
コウ以外の全員が驚きながらも数字を間違えないようにカウントダウンをしていく。
これ・・・コウのアカペラだ。
音楽も何もない、コウが歌ってるだけ。
しかも、MVがない曲・・・つまりさっき流れなかった曲だけを綺麗にメドレーにしている。
おなじ曲調の(もの)からだんだんグラデーションみたいにつながっているのがいいなぁ・・・。
そしてついに。
「14!」
「13!」
私とセイがそういうと、コウとネイが数字をそろえる。
「「12!」」
「「11!」」
そのあと私とセイも声をそろえ、画面の上の数字が『10』になる。
「「「「10、9、8、7、6、」」」」
だんだんみんなの声が大きくなり、コウのアカペラが小さくなっていく。
「「「「5、4、3、2、1!」」」」
ついにその時が来る。
「「「「ぜろー!!!」」」」
みんなで元気よく叫び、画面がMVに切り替わった。
みんながそっちを見ているので、もちろんカメラは回っていない。
「ねぇコウ、あれなに?」
「あぁ、あれね、驚かせようと思って、ユキの真似してみたんだよ。MVがある曲はもう全部出たし、僕はボーカルだからMVがない曲のアカペラメドレー作ろっかなって。彪兎《あやと》に提案したらすぐ賛成もらったから作ってみた。どうだった?」
コウが悪戯が成功した子供のようにペロッと舌を出して首をかしげる。
「あれだけにしか使われないのか?」
セイが訊くと、コウが当たり前かのように頷く。
「うそだろ⁉あんないいもん使い捨てかよ?もったいないぞ⁉」
セイが信じられないと言わんばかりに大きな目をさらに大きく見開き、身を乗り出した。