人気バンドの紅一点?!~天然美女は溺愛される~

「不登校の子を馬鹿にする人とか、たまにいるけど、いい気分になる人なんていないでしょ?馬鹿にされた側も、する側も。だから、そんな人がいても無視するコト。どうしても我慢できそうにないなって思ったら、すぐに誰もいないトコに行くか、・・・そうだなぁ。ポケットの中に弾力のあるもの忍ばせといて、それ握りつぶせばいいよ」
そういうと、ネイが驚いたように後ろの席に座っている私を見上げてきた。
「粉雪もそうしてたの?」
「うん、ぎゅーってしてたよ、宇宙人型のやつ」
黄色の蛍光色の宇宙人をポッケトに入れて、嫌なコトを言われたらポケットに手を突っ込んで握りしめる・・・っていうか潰す。
「まぁ、それもいいかもね・・・」
コウは私の不登校時期をよく知っているので、窺わしげに見つめてくる。
やっぱり大学生になっても、成人しても、一緒に仲間として社会に出ても・・・コウにとって私はずっと妹なんだろうな。
なんか悔しいけど・・・嬉しさも勿論ある。
だってそれって、家族みたいってコトでしょ?
私が不登校の時も毎日家まで来てくれて。
勉強や友達の話なんて一切せず、私とコウの夢である、楽器や音楽、そしてBlizzardさんの話をしてくれていた。
今思えば、私とは1歳しか年が変わらないのに随分と大人っぽかったな。
すごく・・・誰のいうコトも聞けなかった私に、大人な対応をしてくれた。
今になっても、これからもずっと、コウには感謝してもしきれない。
「どしたの、粉雪」
私の視線を追っていたセイがなんとなく察しながらも訊いてくる。
「意地悪だねぇ」
わざわざ言わせようとするのは、兄貴仮面に隠れている加虐嗜好・・・うっうん、性格が出ている。
「みんなにあらためて感謝だなーって」
なんとなく濁すと、セイは表面上の笑みを浮かべて頭を撫でてきた。
カメラの前じゃなかったら、私が口を割るまで問い詰めてきただろう。
基本的に『秘密・隠し事ナシ!』を心がけてるから。
私もセイ側だったら問い詰めてしまっていたかもしれない。
別に、全員私の不登校のコトは分かってるから、正直に話しても問題はないんだけど。
「あ、ズルいズルい」
コウが、セイが私の頭を撫でてもらってるコトに気づき、斜め後ろのセイにもたれかかってきた。
「おー、胡瞳も撫でてほしいんか?寧璃はいいのかー?カメラの前だからって遠慮しなくてもいいんだぞ?いつもやってるだろー」
ネイが、普段我に返ってから恥ずかしがるようなコトをセイがなんのためらいもなく暴露する。