控室は、初めましてのアーティスト同士でも交流できるようにすごく広い一室になっている。
「あ、ARTEMISさん・・・!」
控室には、私たちの前に出番を終えたアイドルがいた。
日本人と韓国人がいる男性アイドルグループ『エメラルド』は、私たちと一緒に新人賞も受賞した、今大人気のアイドル。
そのなかで私が面識があるのは・・・。
「ユキちゃん!」
「こんばんは~」
グループで一番人気があると言われている、最年少で子犬系(らしい)ルキルくん。
ルキルくんは私のコトを『ユキちゃん』と呼ぶから、私はルキルくんのコトを『ルキ』と呼んでいる。
ルキは、デビュー前からのARTEMISのファンでいてくれる大切な存在だ。
ずっとお姉ちゃんみたいに慕ってくれるから、弟妹がいない私もつい甘やかしてしまうのだ。
いつも私はお兄ちゃんに可愛がられる側だから。
「ミニアルバム買いました!」
「ホント⁉嬉しい・・・予約してくれたってコトかな?」
「はい!ライブのやつももう予約してあります!ブックレットとCDとBlu-rayとグッズとポスターと・・・特典映像付きの初回BOXです!」
「えぇ・・・!一番高いやつ?え、えっと、自分のグループのモノだけどあれ、高くない・・・?」
「ユキちゃんがいるグループのモノなら安いと思います!」
「ルキくんルキくんルキくん、それは間違ってるねぇ。エメラルドで金銭感覚しっかりしてる人は・・・?」
「自分も同じ初回BOX買いましたよ」
私がエメラルドのメンバーを見渡すと、1人のメンバーを皮切りに全員が自分も、自分もと声を出す。
「せ、せめて初回BOXはグループで1つとか・・・えぇ・・・金銭感覚・・・」
思わずつぶやくと。
「ヤバい、ユキがまともに見える時点でこのグループ終わってる」
「推しにトコトン貢ぐタイプだ」
「こちら側としては嬉しいばかりだけど後輩だからな・・・心配」
3人も同じことを考えていたのか、頭を抱えたり顎に手を当てたり腰に手を当ててため息を吐いたりしていた。
「いいんですよ、好きなコトできるのって幸せじゃないですか!」
ルキの無邪気な笑顔が眩しい。
「まぁ、自分の判断に任せるよ・・・それにしてもすごい良かったよ」
「ホントですか?よかった、踊ってるときもユキちゃんの拍手してるところ想像してたんで」
「ちゃんと集中しようか」
「ルキルはちょっと猪突猛進なところがあるからな・・・」
メンバーもそれはないわと言わんばかりに苦笑している。
「なんか面倒くさくなってないか?」
ネイもセイに向かって、ルキを指差しながら首をかしげている。
「ネイ、人を指差したらだめだよ」
一応注意してからソファーに腰掛ける。
「セイ、お願いできる?」
「待ち時間もやるのか?」
「もちろん、ファンをためさ!」
少しカッコつけてふわっと前髪を指ではじく。
「「「「可愛い・・・」」」」
いつもの3人の声に珍しくルキの声も重なり、思わず笑ってしまった。
「あ、ARTEMISさん・・・!」
控室には、私たちの前に出番を終えたアイドルがいた。
日本人と韓国人がいる男性アイドルグループ『エメラルド』は、私たちと一緒に新人賞も受賞した、今大人気のアイドル。
そのなかで私が面識があるのは・・・。
「ユキちゃん!」
「こんばんは~」
グループで一番人気があると言われている、最年少で子犬系(らしい)ルキルくん。
ルキルくんは私のコトを『ユキちゃん』と呼ぶから、私はルキルくんのコトを『ルキ』と呼んでいる。
ルキは、デビュー前からのARTEMISのファンでいてくれる大切な存在だ。
ずっとお姉ちゃんみたいに慕ってくれるから、弟妹がいない私もつい甘やかしてしまうのだ。
いつも私はお兄ちゃんに可愛がられる側だから。
「ミニアルバム買いました!」
「ホント⁉嬉しい・・・予約してくれたってコトかな?」
「はい!ライブのやつももう予約してあります!ブックレットとCDとBlu-rayとグッズとポスターと・・・特典映像付きの初回BOXです!」
「えぇ・・・!一番高いやつ?え、えっと、自分のグループのモノだけどあれ、高くない・・・?」
「ユキちゃんがいるグループのモノなら安いと思います!」
「ルキくんルキくんルキくん、それは間違ってるねぇ。エメラルドで金銭感覚しっかりしてる人は・・・?」
「自分も同じ初回BOX買いましたよ」
私がエメラルドのメンバーを見渡すと、1人のメンバーを皮切りに全員が自分も、自分もと声を出す。
「せ、せめて初回BOXはグループで1つとか・・・えぇ・・・金銭感覚・・・」
思わずつぶやくと。
「ヤバい、ユキがまともに見える時点でこのグループ終わってる」
「推しにトコトン貢ぐタイプだ」
「こちら側としては嬉しいばかりだけど後輩だからな・・・心配」
3人も同じことを考えていたのか、頭を抱えたり顎に手を当てたり腰に手を当ててため息を吐いたりしていた。
「いいんですよ、好きなコトできるのって幸せじゃないですか!」
ルキの無邪気な笑顔が眩しい。
「まぁ、自分の判断に任せるよ・・・それにしてもすごい良かったよ」
「ホントですか?よかった、踊ってるときもユキちゃんの拍手してるところ想像してたんで」
「ちゃんと集中しようか」
「ルキルはちょっと猪突猛進なところがあるからな・・・」
メンバーもそれはないわと言わんばかりに苦笑している。
「なんか面倒くさくなってないか?」
ネイもセイに向かって、ルキを指差しながら首をかしげている。
「ネイ、人を指差したらだめだよ」
一応注意してからソファーに腰掛ける。
「セイ、お願いできる?」
「待ち時間もやるのか?」
「もちろん、ファンをためさ!」
少しカッコつけてふわっと前髪を指ではじく。
「「「「可愛い・・・」」」」
いつもの3人の声に珍しくルキの声も重なり、思わず笑ってしまった。



